腕を動かすたびに激痛を伴う五十肩・四十肩。運動不足や老化・過去のケガ・肩関節の圧迫などさまざまな要因で発症してしまい、日常生活に大きな影響を与える本当に辛い症状です。服を着たり髪の毛を洗ったりベルトを締めたり洗濯物を干したりすることすら困難になる五十肩や四十肩、実は普段の体の使い方や姿勢などが大きく関与しています。
今回は、五十肩や四十肩を発症しやすい姿勢や姿勢による悪影響から解放されるための方法について解説していきます。
五十肩の特徴
肩関節の痛みで病院で受診しても、レントゲンやMRI・関節造影検査:超音波検査などを行っても骨や関節などに明らかな損傷などの異常がないのにもかかわらず、肩関節の運動時痛や安静時痛があり1~2年、長い人だと7年近く五十肩症状で苦しむ人もいます。五十肩に似たような症状で、レントゲンやMRIなどの検査で明らかな異常や所見が確認できる疾患もあります。その中でも代表的なものが『石灰沈着性腱板炎』『腱鞘炎』などの疾患もあります。本当に我慢できないような痛みがあるのであれば、病院で検査してもらいましょう。もし明らかな異常がない五十肩であれば、専門の施術所での治療も効果的ですので個人の判断でなく専門家の意見を聞いて早期に症状を改善できるようにしていきましょう。
どんな姿勢だと五十肩になりやすいの?
五十肩を改善していくためには五十肩になりやすい姿勢を知る必要があります。五十肩になる可能性があるものを排除していけば発症のリスクは激減しますので、まずはご自身の体のバランスや姿勢を把握しましょう。関節には関節包というクッションの役割を果たす組織がありますが、肩関節の関節包は関節包の面積がとても小さいため、損傷する確率が高い関節なんです。また肩関節は姿勢の影響を受けやすく、猫背になってしまうと関節が内に捻られてしまう『巻き肩』になります。この巻き肩になっていると、二の腕の骨の付け根が肩関節にうまくはまっていない状態で動かすことになるので肩関節周囲の筋肉や肩関節への負担が大きくなり炎症が起こりやすくなり、五十肩を発症してしまいます。巻き肩になる原因として、猫背姿勢によるデスクワークやスマートフォン操作や読書などが特に巻き肩になりやすい動作と言われています。日常生活から五十肩になる可能性を引き起こす『巻き肩』を解消するストレッチを行い、五十肩を改善・予防していけるストレッチを紹介します。
巻き肩改善ストレッチ
①立位姿勢をとり、両腕をまっすぐ伸ばします。その状態から、胸を張り顎を引きながら腕を後ろ方向に伸ばします。この時に膝を曲げたり、顎が前に出ないように気をつけましょう。そして、腕をまっすぐのばしたまま、腕の付け根から外側に捻ります(手のひらが外向きになるように捻る)。肘が曲がらないように気をつけてください。この時に深呼吸をしながらストレッチをすると、血液循環も良くなり効果的にストレッチを行うことができます。
②立位姿勢で肘を腰につけて90度に曲げます。『前ならえ』の姿勢をとり、息を大きく吸います。息を吐きながら、肘の位置を固定しながら腕の付け根を捻るように腕を痛くない範囲内で外側に捻ります。この時に肩甲骨の動きに意識するとより効果的です。
③背もたれのある椅子の後ろかつ両手を伸ばして届く距離に位置どりします。両足は肩幅よりも広めに開け、椅子の背もたれに両手を置きます。そして猫の背伸びのように、背中を反らして顔は正面に向け、脇や肩甲骨周りを伸ばします。深呼吸を4~5回繰り返した後、次は背中を丸めて顔を下に向けます。この時も深呼吸を4~5回繰り返します。この動作を5回行います。
この①~③のストレッチを週に2~3回行うだけでも巻き肩の改善につながり、五十肩や四十肩の早期改善の可能性も高くなります。五十肩になってしまったら、肩関節の位置や向きなどを意識してみるのも大切です。五十肩を発症してしまっても我慢したり諦めたりせず、地獄のような日々から早く解放されるように日々、自分の体ののメンテナンスをしていきましょう。
最後に注意点として、ストレッチを行う上で痛くない範囲内でのストレッチを行なってください。痛くない、または痛気持ちいい、伸びてるなぁー、くらいの感覚でストレッチをしてください。無理をし過ぎると余計に炎症を悪化させてしまう可能性がありますので、気合いを入れすぎずのストレッチを心がけてください。焦りは禁物です。